ストレートネック

ストレートネック（スマホ首）とは、文字通り首の骨（頚椎：けいつい）がまっすぐになってしまった状態のことです。まっすぐの何がいけないの？と思われる方もおられると思いますが、頚椎という首の骨は、前に弯曲（わんきょく：弓なりに曲がっている状態）した状態が正常で、前に少し弯曲していることにより、頭の重さをうまく受け止めています。人間の頭の重さは、体重の約１０％と言われており、５０キロの方で約５キロの頭の重さがあります。その重さを常に支えるためには頚椎は弯曲してないといけません。

なぜかと言うと首の骨がまっすぐだとクッション性がないため、もろに頭の重さが負担として頚椎に蓄積されます。それを少し弯曲していることによりクッションとして頭の骨を受け止め安定しているのが正常な首です。ストレートネックで長期間、頭の重さを首が受けた場合は、最終的には首のヘルニアになってしまい、神経痛、手のシビレ、麻痺に移行してしまいますので、根本的な改善が求められます。

左の図で言うと、右側が猫背のイメージですが違います。猫背タイプの骨盤というのは骨盤前傾タイプの骨盤ですので左側の骨盤タイプが猫背になるタイプです。簡単に言えば立った状態で腰が反り過ぎているような、そこまで太っていないのにお腹が出たように見えるタイプがこれに当たります。では、右側の骨盤後傾タイプは、老人の方に見るような姿勢ですが、このタイプは背中ではなく腰が曲がっているタイプです。勝手に猫背ではなく「猫腰」と呼んでいます。本当の猫背は、腰が反り過ぎた反動で背中が丸くなってしまった姿勢であり、肩が前に出てしまっている『前方肩巻き猫背』も存在します。

この骨盤タイプは背中が曲がっているため、座ると腰も曲がるために座った姿勢がすごく曲がって見えます。最近の学生にもよく見かける姿勢です。立っている時はそこまで悪い姿勢に見えないのに、座るとすごく姿勢が曲がって見える学生が多いと思いますが、それはそういった理由からです。

最後に１番重要なことは、混合タイプがあることです。最初は前傾タイプだったが次第に骨盤前傾も保てなくなり背骨自体が曲がってきて見た目は右側の骨盤後傾のように見えます。しかし、中身は単なる後傾タイプではなく、前傾が保てなくなってからの後傾タイプであるため、混合タイプとして１番やっかいなタイプとなります。高齢の方で背中がかなり曲がって見える方は混合タイプと思って間違いないと思いますので、何とか前傾タイプのシンプルな猫背の時に徹底して根本的に改善させるのが絶対に良いです。５０代以降の混合タイプでは、かなり改善は難しくなり、よっぽど気合を入れて取り組まなければいけません。ぜひ、姿勢改善・ストレートネック改善は早めをオススメいたします。

ストレートネックを放置していると、先程も軽くお伝えした通り、最終的には首のヘルニアになります。首のヘルニアになると、首肩腕の神経痛、手のシビレ、手の麻痺が起こり、最後は手術をしないとどうしようもない状態になります。注意点として、原因の部分でもお伝えした通り、ストレートネックや首のヘルニアは首が原因で起こるものではないということです。ということは、ヘルニアの手術をしてもその時は状態が改善するかもしれませんが（逆に悪化する可能性もゼロではありません）、時間と共にまた悪くなってしまったり、頚椎の別の部分がヘルニアになってしまったということは少なくありません。ですので、ストレートネックも油断せずにお早めに根本的な改善をすることをおススメいたします。